知るほどにひろがる、日本酒の味わい
我が国ならではの「芸術品」、日本酒。存分にその味わいを堪能するには、その酒のおおよその特徴を知っておくことが大切です。まずは「吟醸酒」「本醸造酒」などの違いから…。これだけでも意識して味わえば、造り手の想いまで感じられるようになるので、ぜひお試しを!
精米歩合60%以下の日本酒。昔は品評会用の幻の酒でしたが、市場にでて、日本酒ブームを起こしました。米、米麹のみで造られる純米と、少量の醸造アルコールを加えた本醸造の2種類があり、フルーティな芳香が特徴です。この香りを出すための特別な製法を「吟醸造り」といいます。
吟醸酒の中でも特に高精白(精米歩合50%以下)したもので、酒造りの技術を集結させた最高傑作。果実のような芳香と滑らかな口当たりは「ライス・ワイン」とも表現されます。フルーティな香りと、もうひとつの特徴は“味”。米を高度に磨き上げるため、米粒の外側のタンパク質やアミノ酸が少なく、これが上品で淡麗な味わいとなります。
日本酒造りの基本である「米」「水」「麹」だけで醸した酒、つまり、アルコール度を調整するための水以外は何も加えず、精米歩合70%以下の白米と米麹のみを原料とした日本酒がこの純米酒。そのため原料米の特徴、また、蔵元の個性が一番出やすいお酒と言われます。濃厚でコクがあり、ヨーグルトやバターのような香りのするものが多いのも特徴です。
精米歩合70%以下の白米・米麹に、香りを引き立て、味のバランスを整えるために限度以下(アルコール分95度換算で10%以下)の醸造アルコールを添加した酒。香りが出ると同時に、純米酒と比べ、すっきりとした飲みやすさが魅力。日本酒の辛味はアルコールに由来するため、一般に本醸造酒は辛口の酒になる傾向があります。
温度によって味が変わる、情緒豊かな酒
同じ醸造酒であるビールやワインに比べ、飲用の適温が幅広いのが日本酒です。同じ銘柄でも温度によって、香りや味が変化するので、酒質や気分に合わせて、様々な味わいをお愉しみください。
冷やして美味しいのは、フレッシュな香りを楽しむタイプの酒。特に大吟醸酒に多いフルーティかつシャープなものがおすすめです。果実のような芳香の強い酒は、常温や燗では香りや味のバランスが崩れたり、温めるとアルコールが立つものが多いので、冷やして飲むのが定石といえます。
香りや旨みのバランスの良いものや、とろっとした舌触りの酒は、常温で飲みたいもの。冷やすとサラサラしてしまう酒も常温では味がふくらみ、酒本来の味が出ます。ただし、濃密感がない酒は、温度が上がると水っぽく感じるものもあるので、しっかりとした酒質を選ぶのがコツです。
燗に向いているのは、熟成した純米酒です。味でいうなら旨みや酸味の強い濃醇でコクのあるものがおすすめです。香り高い酒は不向きですが、一般に日本酒は、温度を上げるほど舌触りが滑らかに、また、甘味、酸味、苦味などのバランスがよくなり、旨みを増すと言われています